- サラリーマンが副業するとどれくらいお得なのか見積もりたい
- 副業のメリット・デメリットを整理したい
副業の本質的なメリットは、収入増というよりも、節税とリスク分散です。
サラリーマンは個人事業主よりもはるかに安定性が優遇されてきましたが、少子高齢化の日本社会が進むにつれて、そうではなくなってきています。
この記事では、サラリーマンが副業するとどれくらいお得なのかを見積もり、副業のメリット・デメリットについて解説します。
副業は本業の昇給よりも約15%お得
本業よりも副業のよる収入増のほうが、効率的に手取りが増えます。
サラリーマンの副業による収入には、税金はかかりますが、社会保険はかかりません。
本業がある限り、社会保険は本業の収入からのみで計算されます。
少子高齢化にある日本社会を支えるため、社会保険料の負担は増加傾向にあります。
サラリーマンの稼ぎ方は、とても搾取されやすい収入源であるため、これをもっと増やそうという考えは非常にリスキーです。
一方、副業による収入増は、これら社会保険の負担はついてきません。
例えば、年収700万円の人が、本業をがんばって800万円にふやしたとすると、実質の手取は約55万円増です。
一方、100万円を副業によって稼いだとすると、実質の手取は70万円増です。
- 本業による増収
- 社会保険 ×負担あり
- 税金 ×負担あり
- 副業による増収
- 社会保険 〇負担なし
- 税金 ×負担あり
社会保険がない分の約15%、効率的に稼げます。
次に、なぜ15%効率的なのか、課税の仕組みから紐解いていきます。
税金よりもはるかに重い社会保険の負担額
社会保険の負担は、税金よりも大きな金額であり、さらに増額傾向です。
一体いくらかかっているのか、以下で示します。実際はもう少し複雑ですが、考え方だけ示すため、大まかな数字で表します。
サラリーマンの税負担の内訳は以下です。
- 社会保険料
- 健康保険 9.5% 上昇傾向
- 厚生年金 18.3% 上昇傾向だったが歯止め
- 雇用保険 0.9%
- 介護保険 1.8% 上昇傾向
- 税金
- 所得税 20% 累進課税(0~45%)
- 住民税 10%
単純に全部足すと60.5%で、税率は半分以上かかってる!と思われがちですが、そうではありません。
まず社会保険は一部会社が負担する部分があるため、サラリーマンの負担率は実際は以下になります。
- 健康保険 4.75% 半分会社が負担
- 厚生年金 9.15% 半分会社が負担
- 雇用保険 0.3% 3分の2が会社が負担
- 介護保険 0.9% 半分会社が負担
- 合計 約15%
そして、この約15%には控除がありません。給与の支払い総額に対してかかります。
例えば年収700万円の場合、700*15%=約105万円が社会保険の支払額と考えておおまか間違いではないです。
これはかなり大きな金額です。
社会保険に比べれば、控除が認められる税金はまだ優しいです。
所得税と住民税は以下のような経費が収入から差し引かれた金額に課税されるため、実質的な税額は下がります。
- 給与所得控除
- サラリーマンの給与収入には約12%くらいが経費で認められます。スーツ買ったり、お昼代など、会社員として働くのにもお金がかかっているとみなされているからです。
- 社会保険
- 社会保険を支払った分は経費になるので、当然課税対象からは外れます。
- 基礎控除
- サラリーマン全員が38万円分控除されます。
- 配偶者控除
- 結婚してパートナーの人が扶養に入れば、最高38万円分控除されます。
- 扶養控除
- 子供や引退した親を扶養に入れている場合、さらに一人当たり38万円控除されます。
- 寄付金控除
- 寄付していれば、その額も控除されます。ふるさと納税による所得控除はここです。
- 他にも医療費控除や生命保険料控除などがあります。
これらの控除額が引かれた部分に、以下の税率をかけたのが税金です。
- 所得税 課税所得に対し20%(累進課税0~45%)
- 住民税 課税所得に対し10%
所得税は、累進課税(課税額が小さいほど税率も小さい)のため、税率20%の人の実質的な税率は20%以下になります。
本当はもっと細かいルールがあるのですが、ここで強調したいことは、サラリーマンにとって所得税・住民税なんかより、社会保険の負担のほうが甚大であることです。
給与収入を増やせば、これらの負担は漏れなくついてきます。
一方で、副業による収入増は、社会保険の負担が一切増えず、さらに経費も認められるので、手取り額には有利になります。
金銭以外の副業メリット3選:収入源の分散と非金銭的メリット
収入源を新たに確保すると、会社への依存度を減らすことになります。
これは、大口顧客が1社しかない会社に比べて、複数・多数の固定顧客がいる会社のメリットに似ています。
副業でただ収入が増えれば喜ばしいかぎりですが、間接的なメリットもでます。
具体的には以下のようなメリットが生じます。
- 収入源のリスク分散
- 働いて得られるスキルや経験・人脈が多様化
- 職場のストレスが減る
収入源のリスク分散
終身雇用はすでに時代遅れの制度になっています。これからは転職や副業など自分で働き方を工夫し、会社への依存度をさげていくことが求められます。
収入源を複数確保しておくほうが、会社が倒産したり、減給や退職に追い込まれても、家計へのダメージが緩和されます。
働いて得られるスキルや経験・人脈が多様化
働くことは実は人間にとってはとても理にかなった生き方で、収入以外にも生きがいを感じさせてくれます。
その働くことで得られるスキルや経験を、さらに多様化させることで、より充実した人生が送れます。
自分自身のスキルだけでなく、今まで見ていなかった世界を見るため、視野が広がったり、会社以外の人脈・関係を築くことにもつながります。
職場のストレスが減る
職場のストレスは、どうしてもその会社にいなきゃいけないという固定観念のようなものが働いています。
職場でのストレスの原因は、ほとんどが人間関係ですが、それは他に働く選択肢がないという見えない脅迫が裏にあって、それが過度なストレスにつながります。
もっと気楽に働ける環境ならよいのですが、本業ではそうもいかない場合も多いでしょう。
複数の職をもつと、本業も一つの働く形として客観的に捉えることができます。
そうすると、常に転職やほかの働き方の選択肢が自分にあったとしたら、究極の状況のときには、もう辞めてもいいやと思えますよね?
あるいは、本業でも失敗を恐れず、言いたいことを言ったり、より自分が挑戦したいことを試しやすくなると思いませんか?
副業は見えないストレスの正体を軽減してくれるし、より多様な発見・出会い・刺激があります。
副業のデメリット3選:時間・納税・優先順位の管理
そうはいっても副業にもデメリットがあります。
それが多くの人が副業を始めない理由でもあります。
デメリットは以下です。
- 時間・労働・思考の負担増
- 確定申告・納税が手間
- 複数の仕事や家庭のバランス
- 時間・労働・思考の負担増
何と言っても、労働の負担は増えるのが最大のデメリットです。
ほとんどの人が、副業を行う上で、解決しなければならない問題です。
好きなことを仕事にできればよいのですが、複数の仕事を持てばどうしても負荷がかかります。
また、仕事にすればお客さんに対しての責任が生じるので、いつまでも好きだけでやれなくなってきます。
そして、本業一本に全身全霊集中し、フルコミットするような働き方も難しくなるでしょう。
- 確定申告・納税が手間
サラリーマンは確定申告をする必要がないような仕組みになっていますが、副収入を得れば、自分で申告と納税を行わなければなりません。
納税意識が育つため、当人の金融リテラシーは向上するのですが、めんどうなのはめんどうです。
- 複数の仕事や家庭のバランス
副業を行うことで、仕事とプライベートのバランスはさらに難しくなります。
単純に時間を確保できないという場合は問題外ですし、本業も副業もとことんやりたいだけやるというわけにはいかなくなってきます。
どこかで優先順位やワークライフバランスをとるということを意識的に行わないと、当人が潰れてしまうでしょう。
何のために副業をしているのか、副業ありきだと、どのような働き方・生き方が最適なのか、原点に立ち返って考える時間が必要です。
まとめ 副業のメリットは節税とリスク低減
最後に、この記事のまとめです。
以下のような主張がありました。
- 副業は本業の昇給よりも約15%お得
本業を頑張っても、社会保険でかなりもってかれます。副業なら税金だけ。
- 税金よりもはるかに重い社会保険の負担額
社会保険は控除なしに年収金額にかかります。しかもこれからも増える傾向です。
税金は控除が使えるので、サラリーマンでも実質的な負担は社会保険より低い傾向にあります。
副業すれば、経費はさらに認められ安いです。
- 金銭以外のメリット3選:収入源の分散と非金銭的メリット
本当のメリットは複数の収入源を確保することによる安定・安心、それがあることにより、あなたらしい大胆な行動につながります。
- 副業のデメリット3選:時間・納税・優先順位の管理
絶対に克服しなければならない課題が労働時間の確保です。優先順位をつけてプライベートも仕事も充実させる方法を見つける努力が必要です。
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それではまた。