食費を削るとついてくる健康リスク

こんにちは、AJO(@ajo_kakei)です。

しっかりと貯金を増やすためにまずやる事として、食費を安易に削りがちです。

しかし、ここ10年くらい徹底的に家計を見直し続けた経験上、食費の削減ほどコスパの悪いものはありませんでした。

賢く食費を削る方法は、外食を減らすことと食材をムダにしないことくらいで、それ以外に妙味がありませんでした。

その理由は、食費の節約は習慣化が必要で、うまく習慣化できたとしてもじわじわとくる見えない副作用があるからです。

この記事では、家計の見直しにおいて、食費は削るべきでない健康上の理由を解説します。

この記事は、こんな人に向けて書かれています。
  • 食費を削るとどんな副作用があるのか知りたい
  • 健康でいながら食費を節約するための方法を知りたい

なぜ食費を削るのか

食費の節約

節約意識は食費に向きやすい

毎日の暮らしの中で、切り詰めようという意識が強く働いてしまうのが食費です。

たいていの人は、節約しようと思ったら真っ先に食費を減らそうとします。

その理由は、毎日買うべきものと値段を天秤にかける作業を繰り返し行っているため、常に脳の取り出しやすいところに意識が残ってしまっているからです。

支払する頻度が高い費目ほど、節約したい気持ちが高くなる

支払いを意識する頻度

毎日天秤を使うほど、支出に対する意識も高くなります。

【事実】家計の支出は食費の4倍

家計の支出全体に目を向ければ、食費ばかりに意識がいくバイアスを抑制することができます。

家計の支出は一般的に食費の4倍以上で、これはエンゲル係数が20~25%程度なところからきています。

食費以外の節約できる可能性はかなり広く大きいため、多くのFPが推奨する固定費の削減にいきつきます。

はっきり言って、食費なんかより固定費削るほうがよっぽど楽です。

長い目で見ればもっとです。

食費よりも効果の高い節約術は、ほかの記事で以下のようにまとめています。

節約テクニック15選とその効果測定

出典:家計の教科書

食費を削る以外に、このような節約効果の高い費目からアプローチするほうが財布にいいです。

食費を削る副作用

食費の節約と健康

食費を削ることによる副作用は「じわじわときて、見えづらい」ものです。

どんな副作用があるのか、栄養面・健康面・生活面でみていきましょう。

【栄養面】格安食品は糖質過剰

まず、食費を削るとに糖質の過剰摂取につながります。

糖質はエネルギー源として必要不可欠なものですが、過剰摂取すると気づかないうちに肥満と生活習慣病に近づくことになります。

糖質は、3大栄養素の一つである炭水化物のうち、食物繊維をのぞいたものですが、栄養成分表示されないことが多いです。(参考:糖質の栄養成分表示は義務ではない|消費者庁

糖質は炭水化物のうち食物繊維を除いたものの総称

しかし、現代の格安食品は糖質を多く含む傾向があります。

理由は、食品メーカーが原材料の安い砂糖や小麦粉をなるべく使おうとするからです。

安い加工食品は糖質を多く含むものが多く、例えば、カップラーメン、菓子パン、おかし類は安いですよね。

同じロースハムでも、値段の安いハムは、砂糖を原料とする増量剤と着色料をたっぷり含ませています。

原材料名は含有量の多い順に表示される

格安ロースハムの栄養成分表示

また、お弁当を買っても、肉と野菜の具材は少なく、主食をいっぱいに盛りつけお腹が満たされるようになっているはずです。

残念なことに今は、良質で栄養価の高い食品ほど値段が高くなる傾向にあります。

価格と品質のどちらかを妥協せざるを得ない環境で、食費の節約に走れば、落ち着くところはそういうことです。

値段が高騰しているからという理由で、自分の親や子供がパンと安いハム中心の食事をし、お菓子でお腹を満たしていたらどう思うでしょうか。

この章のポイント
食費を削ることが、糖質過多につながる理由は、現代の格安食材が糖質を多く含むから

【健康面】肥満と生活習慣病になりやすくなる

糖質を摂りすぎると、私たち人間の体には、何がおきるのでしょうか。

私たち人間の体は糖質をたくさん摂取しやすくできています。

脂質やたんぱく質中心のバターやお肉は、お腹がいっぱいになれば食欲は失せますが、お菓子やスイーツは、お腹がいっぱいでも、たくさん食べられます。

糖質の過剰摂取が血糖値の急激な上昇を招き、私たちの体は血糖値を正常に戻すため、ホルモンに大きな負荷をかけ、余ったエネルギーを脂肪として蓄えようとします。

これが肥満や生活習慣病につながります。

お昼のあと眠くなるのは、体が代謝に多くのエネルギーを必要とし、その分脳へのエネルギー供給が間に合わないためです。

このように現代の私たちは、糖質を摂りすぎやすい環境にあり、現に摂りすぎています。

毎日安い糖質主体の食品を手に取り、必要な栄養素を退けてしまう危険と隣り合わせの中で食費を削ろうとすると、どうしても糖質摂取を後押ししてしまう行動になるはずです。

気をつけていても、長期になればなるほど勝てぬ戦です。

毎回食材の値段を見て、メニューと栄養のバランスを考えながら商品選びをするのは、実は結構頭を使う作業です。

野菜・肉・魚・穀類と発酵食品は、バランスよく摂るべきものだと思いますが、節約のため、買い物かごの金額や食材の値段ばかりに意識がいけば、栄養のバランスの意識が弱まってしまいます。

この章のポイント
  • 糖質食品は、一度にたくさん食べやすい
  • 低価格を優先すれば、栄養バランスが犠牲になる

【生活の質】活力・人間関係はこうなる

食事はどんな人にも前向きな行動を生み出す源です。

一人暮らしで若く、意識を高く保つことができるなら、1~2年なら継続できるでしょう。

私も学生時代の貧乏生活は、工夫と助け合いで楽しく充実していました。

しかし、多くの人は食事を共にする家庭があり、養うべき人がいます。

自分だけの都合で、食事の充実度を落とすことはできません。食卓を充実させれば、生活は安定し、人間関係は向上します。

充実した食事を重ねていれば、心もカラダも満たされ、健康に過ごせるようになります。

食費を制限しているときより、運動もおのずとしたい気分にもなりやすいです。

仕事や学習に一生懸命になり、社会貢献に意欲的になれます。

そして、様々な節約のアイデアや行動が生み出されるでしょう。

食費を削るよりもはるかに節約効果の高い方法は、こちらにまとめています。

【30代夫婦向け】節約テクニックまとめ15選|寝てても出ていく支出を止めるだけ

我々人間の前向きで、生産的な活動は、健康な食事や生活習慣からくるのです。

食費を節約し、気分が不安定な状態になれば、仕事も人間関係にも悪影響がでます。

結果、収入源となるリスクを高めてしまいますし、人生の幸せな時間も削ってしまいます。

この章のポイント
  • 良質な食事は、前向きな行動スパイラルを生みだす源
  • 食費を削ると、体も心も不安定になり、仕事や人間関係に悪影響をおよぼす

賢く食費を削るコツ(本気なら全てをやろうとしないこと)

食費の節約

節約の目的は、これからの生活を豊かにすることのはずです。

食費をムリに削ろうとしなければ、理想の生活に近づきます。

【試す】習慣化できるか試す

ムリな節約かどうかの判断は、「それを一生続けても人生幸せでいられるか」です。

一時的に食費を削ることは、固定費の節約に比べれば微々たる額ですので、節約効果はありません。

自分に合った方法かどうかを試し、一生続けるのはムリだと気づけば終わりです。

参考までに、私の過去の例をこちらの記事にまとめています。

二人暮らしの食費│夫が食費節約のためにした3つの行動と反省

【知る】ムダ・浪費は適切に認識する

以下は、なくすと節約効果の高い食費の支出です。

なくすと節約効果の高い食費【コスパ順】

全てをなくすことはおすすめしません。

人によって楽しみ方は違いますし、食費管理を完璧にしようとすればするほどコスパは下がります。

ただ認識するだけで十分です。

浪費に適切に気づくだけで、自然とムリのない節約をする行動がとれるようになります。

【学ぶ】コスパの悪い方法をやめる

そもそもこの記事にたどり着いた人は、自然に食材の節約は意識できている人です。

食費の削りすぎはは弊害をもたらすので、もっと豊かに生活できるような方法を実践してほしいと思います。

例えば、やってしまいがちですが、スーパーのはしごに節約効果はありません。

そのようなエネルギーと時間があるのなら、早く帰って好きなことや瞑想でもしていたほうが充実した生き方を生み出せます。

食費を削る方法はあふれるほど紹介されていますが、自分に合ったコスパのよい方法だけを選ぶのは努力と時間が必要です。

以下の記事にあるような方法もありますが、自分に合わないものは全てやめるべきです。

食費の削り方|ポイント還元率15.5%を得る方法

食費は削るべきでない健康上の理由まとめ

食費の節約

まとめ

この記事の主張をまとめると、食費のムリな節約は、頑張りほど効果がなく、医療費やほかのもっと大切なものを失うという形で返ってくるということです。

  • 節約意識は食費にむきやすいが、家計全体の節約効果は薄い 
  • 糖質は比較的安価に手に入れられる食品に多いため、食費を削ると糖質過多に流れる 
  • 充実した食生活は活力と人間関係に前向きになれる好循環を生み出す 
  • 賢く食費を削る意識をもち、全てをやろうとしないこと

食事はあなたの健康を支えるものです。

あなたの健康・思考・情熱、そしてあなたらしく生きるための行動を生み出す源泉です。

食事の仕方次第で、本来持っているパフォーマンス能力を発揮できるか、集中できずに眠くなってしまうかが決まります。

何より、自分の好きなもの、おいしいものを食べたときの幸せ感は、気づかないうちに人生を豊かなものにしてくれています。

食費を削らずに節約するならどうすればいいかは、こちらの記事を参考にしてみてください。

【節約するならまずコレ】家電で一番高いのはダントツでスマホ

【家計の見直し】30代共働き世帯、車所有、持ち家の家計管理

【食費は削ってはいけない】1000万円貯まる家計の買い物術を徹底解説

それではまた。