【行動経済学】貯金と幸福度の関係は?

お金と幸福度に関係はあります。

一体、いくら貯めればいいのか?

そんな風に悩んだときに読んでみてください。

お金と幸せ、その関係をまとめました。

お金の量と幸せが比例する場合は、年収800万円くらいまで。

ある研究によると、年収800万円くらいまでは、お金が不幸せの原因の占める割合が大きいです。

ノーベル経済学賞を受賞した行動経済学者ダニエル・カーネマンによれば、年収75,000ドルまで(約800万円)は人生の幸福度が上がっていくとしています。

これは、食べ物や住まいなどの生活水準の低さによる不幸せな状態は、お金が足りることで解決できるからです。

そして、お金が足りれば、生活を豊かにすることができ、今あるほとんどの悩みを解決できるようになります。

ただし、年収がさらに上がるにつれて幸福度も上がりますが、その上がり方は小さくなっていくそうです。

 

年収が800万円以上になると、お金で解決できない問題の占める割合が大きくなってくる。

年収が800万円以上になれば、今ある多くの問題を解決できそうです。

しかし、一旦収入を手にし、生活を豊かにできるようになってしまえば、今まであまり気にしてこなかった問題が浮き彫りになってきます。

例えば、年収が推定700万円(手取580万円)貯金が2900万円の独身女性(33)は、人生の満足度は30点という例があります。

 

彼女は、メーカーの事務に勤めながら十分な年収をもらいながら、節約生活をしつつお金を貯めました。27歳のときに投資ブログを読んだことをきっかけに投資信託を購入し、立派な財産を築きました。投資生活に入り、人生は変わっていきました。節約を意識するようになり、いっても楽しくない飲み会への参加や、服をほしい気もちが抑えられなくなるウインドウショッピングをやめたそうです。

ところが、本人の幸せ度は30点とあまり幸せではないようです。その理由は、貯蓄により将来への不安がいくらか解消された一方、プライベートの満足度は増えていないから。結婚もしていないので、将来不安が解決されたわけではない。結婚や出産はもちろん、お金で解決できる問題ではありません。これからはためたお金を有効活用して、より生き生きできる人生にしていきたいと語っています。

貯蓄2900万円女子「お金はあっても幸せ増えない」

お金があって、それを有効に活用することで初めて、幸せに結びつけられます。

では、ただお金を貯めるだけではダメなのでしょうか?

節約生活を楽しんでいる人もたくさんいます。

 

お金を増やすこと自体が楽しい理由

実は、お金を増やす行為やプロセスも、満足感を与えています。

貯金残高が毎月増えていくのを見ていると、幸せに感じませんか?

人間はそういう仕組みになっています。

自分で努力したことが、数字として見てとれるととても幸福を覚えるのです。

それがコツコツと時間をかけて数字として表れるから、また頑張ろうと思えるようになります。

それによって節約を継続できるようになるので、正のスパイラルに入ります。

これからの貯蓄残高の予測を自分で立ててみることもおすすめです。

より家計の管理に能動的になります。

めんどうなら、ただお金を数えるだけでも、増えていくことに十分幸せ感を感じることができます。

ただし、やはりお金を増やすだけでなく、上手に使うことがそれ以上に大事です。

節約を楽しみ、お金の仕組みに理解を深めながら、上手な使い方を実践できるようになります。

死ぬまでお金を増やし続け、死ぬときにお金を使い切るのが理想

 

お金を増やすのも、使うのも、今日明日だけの話ではありません。

わたしたちの人生が終わるその日まで、この増減と付き合い管理していくことになります。

人生やりたいことを我慢し続けて、死ぬときにピークの貯金残高があっても意味ありません。

これだと損する確率が高いです。

例えば、相続税。鬼高いです。老後までにはその仕組み理解しておきたいですね。

また、多額を相続しても、子供たちは幸せになりません。

お金の受け取る額が大きければ大きいほど、公平に分配できないと争いを招いてしまいます。

自分でお金を稼ぐ力も育たなくなるかもしれません。

イメージはなかなか湧きませんが、お金持ちになれば必ず訪れる悩みです。

お金持ちはこのように特有の悩み事がありそうです。

相続などまだまだ考えられませんが、お金持ちにはほかにどのような悩みがあるというのでしょうか?

ステージ別お金と幸せの関係

あなたが思うお金持ちとは、自分よりお金を持っている人たち全員でしょう。

しかし、印象だけだと世の中のお金持ちたちを単純に一括りにはできません。

お金持ちでもレベル感が全然違う。

野村総合研究所ではお金持ちをこのように持っている資産によって分類わけしています。

出典:野村総合研究所

純金融資産とは、保有する金融資産から借金を引いた額です。

このようにお金持ちといっても、レベル感に差があります。

では、お金持ちの悩みとはどんなものがあるのでしょうか?

お金に関することだけでもこれだけあります。

私見ですが、簡単に表にまとめてみました。

 

【私見です】

ステージI 年収800万円まで。稼げば稼ぐほど幸せになる。生活費、節約、収入増が人生の悩み。

ステージII 年収800万円以上、資産5000万円以下レベル。税金で悩む。生活費の悩みがなくなってくる。

ステージIII おくりびと。借金をしながら事業に取り組む人の割合が増え、イールドギャップ(収入の利回りと支出の利回りの差)を大きくさせる悩みもでてきます。生活費の節約レベルでは支出を下げられない。

ステージIV 資産数億円以上。資産の維持・防衛で悩む。社会情勢や法律の改正などで資産が吹っ飛んだりします。一つの決断が、その後の資産価格に重大な影響を及ぼす場合に出会います。

お金持ちに特有の悩みはほかにもあります。

お金持ちになればなるほど、孤独になり、助けてくれる人、応援してくれる人もいなくなります。

日本では弱者を守ろうとする心が根付いており、わりと社会がサポートしてくれるシステムになっています。

お金持ちになれば、そういったサポートを受ける必要がなくなります。

そればかりか、税率が高くなるなど、サポートする側の立場になります。寄り添ってくれる人は少なくなります。

また、人間関係、自己実現、お金に関する悩みも消えるわけではありません。

あなたもお金持ちになれば、今のお金の悩みが、置き換えられた違う悩みのタネがきっと見つかるでしょう。

それでも、今より豊かな生活を目指すことはよいことです。

お金の問題はさっさと解決して、今気にもしない新たな問題を解決できるようになりましょう。

 

以上、この記事の内容をおさらいします。

 

まとめ 年収800万円くらいまでは、年収が増えるほど幸せ度もあがる

 

年収が800万円以上になると、不幸せの原因が多様化

だんだんお金で解決できる問題の占める割合が大きくなってきます。

お金を増やすこと自体は楽しい

脳科学的にも、お金を増やすこと自体は楽しいです。

お金の使い方が幸せ度を上げる

死ぬまでお金を増やし続け、死ぬときにお金を使い切るのが理想です。

お金持ちの悩みはわからない

お金持ちにもレベルがあり、お金持ちに特有の悩みがあります。

 

お金がたくさんあっても不幸せな人はたくさんいます。

世間から非難される人、離婚する人、相続争いに巻き込まれる人、宝くじに当選して、人生を狂わせた人。

そうはなりたくないと思っていても、他人ごとではありません。

これから節約を心がけ、今よりも多額の資産を手に入れるつもりで生きていくのでしたら、そのようにならないための心をもつ準備を始めるのは今からでも早くありませんし、今すぐ無料でできることです。

大切なのは、お金は自分の幸せをつかむための道具であり、自分の幸せとは何か、いつも自分で考えることです。

でなければ、何のためにお金を持ちたいのかを忘れ、上記の人のような状態に陥ってしまうでしょう。

老後の不安の解消のために、お金を貯めるのはありだと思いますが、老後の不安の解消方法は貯金以外にもあります。

本当にその貯め方であなたは幸せになれるのか、真剣に考えてみてください。それでそうなら、ぜひ貯めてください。

そして、将来と今を充実できるよう、賢くお金を使って生きましょう。