- 災害を恐れる日常から解放されたい
- 突発的な支出を避けたい
- 資産運用がリスクへの備えになる理由を知りたい
資産運用は、災害などあらゆるリスクへの備えになります。
その理由を、シンプルにまとめるとこんな感じです。
- リスクの考え方が身につく
- リスクとより身近に付き合う
- 大した損をしなくなる
因みにここで言うリスクとは、いわゆる不確実性の大きさではなく、災害など人生の損失が発生しうる可能性のことを指します。
資産運用を始めることで、今まで目をつぶっていたこと・気づいていなかったことに真剣に向き合うことになり、人生が変わります。
以下解説します。
1.資産運用で積極的にリスクと向き合う姿勢になる
積極的にリスクポジションを取る
そもそも資産運用は、自らリスクを取りに行く行為です。
少なくとも何もしないよりは、リスクについては考えるようになります。(もし考えていなければ、それは適切な投資法ではありません。)
貯金さえしていれば安心という考えもありますが、貯金にもインフレという隠れたリスクがあります。
インフレ負けしないためにも、私たちは資産の一部を積極的にリスクに晒し、リターンの増大を目指します。
全てのモノの価値の尺度として使われるお金を持つことですらリスクがあるわけで、私たちはリスクから完全に逃れることはできません。
その代わりに、自分が抱えているリスクを認識することはできます。
損失を分類する
資産運用をしていると、リスクをこのように考えるようになります。
まずリスク(=損する可能性)を大きく分類すると
- 非現実的なリスク
- 現実的なリスク
に分けられます。
非現実的なリスクは、隕石に当たるリスク、空が落ちてくるリスクです。人によって意見が分かれるかもしれませんが、通常これらに対する対処はしません。
現実的なリスクは、
- 自然災害(地震・洪水)
- 事故(自動車事故、火災)
- テロ・戦争
- 病気
- 勤め先の倒産
などです。これらは個人の努力ではどうしようもないものです。
それぞれの確率や損害を被る程度は、個人によって差があります。
また、想定されるリスクによって、失うものが異なりますし、場合によっては自分の命や資産を全て失ってしまうこともあります。
少なくとも資産についてはそうならないように、資産運用ではリスクをしっかり分散しようとします。
リスクの回避と分散をする
資産運用を真剣に始めれば、リスクを回避しようと考え、行動するようになります。
例えば、現預金で100%保有していれば、インフレに脆弱なので、リスク資産として株式や債券を一定の割合で保有しようと考えます。
一方で、日々の生活費や、近い将来想定される出費については、安全資産として現金で保有しておくようにします。
このマインドセットは、金融資産についてだけではなく、自分の人生や家族に対しても同様に応用できます。
例えば、今の勤め先の経営状況が良くないので、転職を視野に入れた働き方をしたり、副業を始めたり、夫婦なら共働きにしたりといった行動をとるようになります。
このような備えのマインドと行動を取っている人は、そうでない人と比べ、いざ勤め先が倒産ときの冷静さと行動は明らかに異なってきます。
資産運用を通して真剣にリスクと向き合い、自然にリスクが分散するように行動するようになります。
2.災害への感覚が育ち、損失を最小化するマインドになる
不可抗力を知る
資産運用とは、端的に行ってしまえば、現金のほかに、株式や債券、あるいはそれらに投資する投資信託などを保有することです。
そして、株式を中心とした投資信託は市場の動向によって、価値が上がったり下がったりします。
これは自分ではどうしようもない、マーケットに依存するものであり、価値の変動は不可抗力です。
取ったリスクはただ恐れるのではなく、不可抗力として受け入れるマインドセットになります。
リスクに晒す割合を考える
それでも資金を投じるのは、インフレ負けを回避したり、運用リターンを見込むからです。
自分の資産をどのようにリスク資産と安全資産に配分するかという点が、資産運用においては最も重要な決断になります。
資産配分については、詳しくはこちらの記事を参照ください。
資産運用という経験を通して、あえて自分の資産の一部をリスクに晒すことによってリターンが得られたり、トータルのリスクを分散するという感覚が養われます。
状況はいつでも同じではなく、必ず下がったり上がったりすることを受けいれ、長期で物事を考えるようになります。
不確実な損を抑制する
自分でコントロールする余地がなく、起きる可能性は低いが、起きたときには甚大な損失を被ることがあります。
その予防にコストをかけることで、発生してからのコストを著しく抑えられることができます。
生命保険や損害保険はその代表例です。
資産運用も、生活防衛資金を確保し、残りの余剰資金で失ってもよい範囲で行い、その投資先もリスクが小さくなるように分散することで、有事の際に起こるような経済危機に対しての損失を抑制できるようになります。
資産運用で抑制できる損失は以下のようなものがあります。
- 老後資金の枯渇
- インフレ(物価の上昇)
- 人的資本の棄損(働けなくなる)
3.資産運用で暴落しても、ふところは痛まない
暴落だけでは損は確定しない
暴落時でも売却しない限り、損益は確定しません。
この場合、含み損と呼ばれ、暴落から株価が回復したときには全く損失は被りません。
積立投資では、むしろ安く大量に買えるチャンスの到来です。
単価が下がったことで、同じ金額でより多くの株数や口数を買うことができます。
資産取崩し中の場合、年金額が減ることになりますが、一時停止することで将来の受取額をもっと増やす判断もできます。
資産運用額は余裕資金で分散
前述のとおり、資産運用は失っても生活が破綻しない程度の額で行います。
仮にその資金が全額失ったところで、日常生活は維持されるわけです。
災害が起きても、生活防衛資金も運用資産も維持されます。
また、運用資金が適切に分散されていれば、経済危機がきても全額ふっとぶことはありません。せいぜい資産総額の20~30%くらいが目減りする程度です。
全額失うようなケースは、適切な運用方法ではありません。
単体の株式銘柄では倒産により価値がゼロになってしまうリスクがありますが、投資信託のように銘柄が一定以上分散されていれば価値がゼロになることはありません。
そして、長期的には経済は成長するので、資産価値は戻り、いづれ現在よりも高値になります。
災害が起きたときでも、心にゆとりが残せます。
4.お金持ちはとっても貧乏になりにくい
あらゆるリスクに備えている
お金持ちはほぼ確実に株式で財をなしています。
そして、株式で資産を持っている限り、一般の人よりも広く、あらゆるリスクに備えています。
災害、事故、経済危機、テロ・戦争、病気に限ったことではなく、国の経済政策や相続によっても受けるインパクトが大きいので、それだけ広く徹底して備えています。
そのようなお金持ちは、例え家が流されても保険でカバーしています。
貴重なものを安全な場所で保管しています。
緊急避難先や連絡手段を確保しています。
何よりお金持ちが恐れているのはインフレです。
運用するほど、リスクには敏感
彼らは災害などで資産を一部を失うことはあっても、多くを失うことはありません。
これは単にお金持ちだからというだけではなく、それだけリスクに対して徹底して備えているからです。
備えていない人、日常の生活で手いっぱいの人は、いつ起こるかわからない災害への備えよりも優先しなければならないことがたくさんあります。
それゆえに、存在するリスクを感じていないだけかもしれません。
積極的にリスクに向き合えば、いつ起こるかわからない災害に対して、不要に恐れることがなくなります。
事が起きる前に対策を打ちましょう。
まとめ 予想外の支出を回避するマインドは資産運用で育む
1.資産運用で積極的にリスクと向き合う姿勢になる
自分の資産の一部をリスクに晒すことでより高いリターンを目指します。
資産運用のキモは、いかにリスクの分散をするかです。
2.災害への感覚が育ち、損失を最小化するマインドになる
災害など突発的な支出を想定し、適切に準備するようになります。
3.資産運用で暴落しても、ふところは痛まない
暴落のようなリスクにもしっかり備えて運用します。
貯金100%のほうが危険です。
4.お金持ちはとても貧乏になりにくい
予想外の支出やリスクに適切に準備しているからです。
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それではまた。