豊かに生きることはお金に限ったことではありません。
風邪やケガ、あるいは重症な病を患ったときは、身体が健康であることがどんなに幸せか感じるものです。健康であればあるほど、身体的な豊かさを求めることは、お金以上に大切であることを思い出さなければいけません。
毎日多忙を極める私たちが、週末の夜、ゆとりのひとときを過ごすとき、とても幸せを感じます。時間の貴重さをそれだけ知っているからです。時間的にも豊かに生きれたらいいですね。
満員電車や極小住宅で過ごす時間にも慣れてしまっている人も多いでしょう。たまに旅行で大自然の絶景を見たとき、その空間を独り占めする贅沢を感じるかもしれません。人は空間的にも豊かさを求めるものです。
懐、健康、時間、空間の豊かさに加えて、感性や人間関係も豊かになれたらいいと思います。それは心の持ちようで簡単に手に入れることができる豊かさです。どのようにすればよいのでしょうか?
心の健康は、自分の心を、自分の大切な人のように扱ってあげることで手に入れられます。大切な人とは、恋人や子供だと思えばよいでしょう。
例えば、自分にうそをつかないことです。自分に過度なストレスを与えないことです。自分の心の声を、真剣に聞いてあげることだったりもします。正しいことを正しく行えるように、教養を与えたり、真摯に会話したりすることでもあります。
心の声を真剣に聞いてあげることは、いつでもどこでも誰でもできますが、ほとんどの人がやっていません。それは、その大切さに気付いていないからです。また、ほとんどの人がその必要すらないからでもあります。
しかし、ときには極限の状態に追い込まれたときに、この方法は有効です。
その人が本来持っている人間としての特性と個性を、自意識が改めて認識するからです。
そうすれば、その人本人の思考がよほど間違った方向に行かなくなります。
心の健康を手に入れるのは、瞑想が有効です。
瞑想とは、目を閉じて、静止し、静かに呼吸に意識を向ける、といった一般的なことです。ここでは、もう少し行動で解釈すると、
Stop moving
Stop sensing
Stop feeling
Stop thinking
の4つです。いかなる自分の内面の動きと、いかなる自分の外面からの刺激も最小化することです。ゼロにすることはできませんが、最小化する最大限の努力をするだけで十分効果がでます。意識を一点に集中させるために、呼吸や脈拍に意識を向けるのもよいです。
外面からの刺激をシャットアウトし、内面の動きを止めようとすると、数分で何か考えてしまいます。それでも何も考えないようにします。
それでも考えが込み上げてきてしまい、抑えきれなくなると、それが今のあなたの心の声です。何も考えないようにすることを諦めて、真剣に聞いてあげてください。アドバイスはしてもしなくても結構ですが、した時点で瞑想は終わりです。
心の声を真剣に聞いてあげただけで、そのぶん心は豊かになっています。そのような時間と機会を増やしてあげると、どんどん豊かになりますよ。