家買う派ですか?借りる派ですか?
よくある持家派と賃貸派の論争ですが、死刑制度に賛成か反対かの議論と同じように答えはありません。自分なりの回答とその理由をしっかり持てることが、一番大切なことです。
家は超高額リスク商品です。そのリスクとコストをしっかり把握して買っている人はほぼ皆無といっていいでしょう。家は単なる金銭価値のある資産としてではなく、人生や未来、感情といった要素がたくさんからみあっているわけですから、一様な答えなどありません。また、商品としても決して単純ではありませんし、その取引だって簡単ではありません。
このページではちゃんとマネーリテラシーを持って家選びができるようになることを目指します。もし家を買いたいと思っている方で、迷っている方に、家計の目線から、改めて賃貸と持家のメリットとデメリットを整理しました。
持家のメリットは住宅コストが安いこと
長期的には家は買ったほうが安くなります。賃貸は確実な固定費として、大家さんに対して支払いが発生します。最初から決められた金額を長期固定で支払います。その代わり、家の不具合の修繕費などは、全て大家さんが負担してくれます。持家は固定資産税や火災保険料、修繕などの維持費がかかります。こういった費用は持家や大家など所有者には発生しますが、賃貸の場合ありません。この発生しうる分のコストも含めて、予め賃料に乗っけて支払うことになっているわけです。持家が賃貸よりも安くなる傾向にある大きな理由が、住宅ローン控除です。住宅ローンを組めば、ローン残高の1%が戻ってくる手厚い減税制度があり、これが1番持家費用を安くしている要因です。
賃貸のメリットは身軽でいられること
賃貸のほうが、住まいへのこだわりも少ないので、引っ越しやすく、身軽でいられます。10年以上同じ場所にいる見通しがあるならば、持ち家でもほぼ問題にはなりませんが、転職や結婚、家庭の事情などにより、都度引っ越したほうが変化する生活スタイルに住まいを適合させやすく、生活の質を向上させやすいのは賃貸です。持家は人生計画が立てられないくらい波乱万丈を歩む方には、注意が必要です。
また、住宅の購入や売却にはリスクだけでなく手数料がかかり、これが結構な金額になります。買って売る往復の取引で、概ね物件価格の8%ほどみたほうがよいでしょう。投資信託の取引手数料が往復1%以下のこの時代に比べても、半端なく高いです。銀行や不動産屋とのやりとりも必要で、ある程度知識を必要とし、面倒でもあります。金額の面でも、賃貸のほうが引っ越しやすいです。
マンション保有は戸建保有と、賃貸の中間的な存在
マンションを購入する場合は、賃貸と戸建の持家のコストとリスクの中間的な存選択になります。戸建と比べると確実な固定費が増え、流動性は高くなります。
それは管理費と修繕積立金です。毎月2~5万円と結構ばかになりません。戸建にはこういった固定支出はありませんが、壁の塗装など自分が修繕をすべきと判断したときに費用が発生します。一概に言えませんが、どちらも同程度のコストが発生することになります。
流動性が高いとは、マンションのほうが戸建に比べて買い手がつきやすくなります。ある程度万人受けする立地や間取りが組まれているからです。売買取引コストは戸建てと同様ですが、マンションは戸建て購入と比べて低リスクです。
まとめ
以上、賃貸と持家のメリットとデメリットをシンプルにまとめました。
家を買うことは、とても高額なリスク商品を買うことに変わりないので、しっかり学習をし、まずは騙されないようにしてください。どんなにいい人であろうと、不動産屋の言うことを鵜呑みにしてはいけません。一番大事なのは、自分自身の見解と結論を持つということです。
我々は、住まいについては常に買うか、借りるかの2通りの手段が選択肢として与えられています。自分の人生設計においてどちらがよいか、賢く選択できるようになっておきましょう。
因みに私は持家ですが、購入した一番の理由は、賃貸よりも安いからでした。また、購入を決断したときも、その家に一生住むものではないと思っており、だいたい10年くらい住んで、生活環境が変わったら住み替えも十分検討できる見通しをもって買いました。購入してもう8年目ですが、結婚したり、子供が生まれたりしましたが、この判断と見解には、特に後悔なく過ごせています。
住宅コストについては、他の記事でも紹介していきます。
また住宅以外の、金融資産については、こんな記事も書いています。
それではまた。