節約のやり過ぎ失敗例

節約に節約を重ねていって、お金を使わなくなると、自身の弱体化を招きます。

これは規模を大きくして考えてみればわかります。

例えば、会社で支出を小さくしていくと、大きな取引のチャンスを逃し、売上拡大ができなくなります。また、人件費削減まで着手しなかったとしても、設備投資や経費削減で従業員の士気が下がったり、元気がなくなった会社のイメージになっていきます。

また、例えば日本という国を例えてみると、人口減・増税などで国内消費が落ち込めば、国全体の経済がどんどん小さくなっていきます。どんどん輸入を押さえればお金は貯まりますが、国民が欲しいものが手に入らず、経済は回りません。

つまり、節約してお金をより手元に残そうという行為は、ある程度までは、自分の金融資産を潤沢にすることができますが、過度に行うと自分の自由や生き方の幅を狭めていってしまいかねないのです。それはよくありませんよね。

なので、理想は自分の家計の財政状況をよくしながら、好きなことにはお金を使うことです。

今の世の中、お金があればほとんどのモノがやサービスが手に入ります。それだけお金の利便性が高まっているのです。

ここで、お金を賢く使うための考え方として、消費・浪費・投資というものがあります。

消費は、現在豊かに生きるのに必要な支出。

浪費は、現在豊かに生きるのに必要でない支出。

投資は、将来より豊かに生きるのに使う支出です。

消費はゼロになりません。ゼロにする必要もありません。

浪費は、生活習慣の改善などの努力やゼロにすることができます。

投資は、自分の描く理想を実現するため、金額の大小はあまり問題ではありません。何に投資するかが本人にとっての問題です。

例えば私は、より健康で、より柔軟な思考ができるように、食事には気を使っています。また、人間関係も良くしていきたいので、たまには外食して、ちょっとした非日常や会話を、家族や友人と楽しむことは重要だと考えています。

そんな私にとって、食費は単なる消費ではなく、投資の側面も持っています。

同じように、服やアクセサリーにこだわって、自分を表現できる、より自分らしくいられる、という人には被服費が、消費ではなく、投資の側面をもっているわけです。

ビジネスシーンでも、ファッションで相手へ与える第一印象が9割決まるとも言われていますよね。お金をかけず、みすぼらしい格好でいるよりも、清潔感と信頼を与えるびしっとした正装のほうが、よい取引につながる可能性を高めてくれます。

そういう方々も、被服費は投資となります。

今を生きるのも大切です。しかし、将来をよりよく生きるのに、今から何ができるか、ということを考えるのも、持続的に豊かに生きられる素晴らしい習慣ではないでしょうか。

ぜひ、支出の最小化を突き詰めるだけでなく、賢くお金を使えるように日々研鑽に励みましょう。