この記事では、家電や家具などの耐久消費財のコストをざっくりと計算する方法を紹介します。
家電・家具のコスト計算方法
以下は関東郊外に住む30代夫婦と幼児1人の家庭の例です。(うちです。)
過去10年間に買った家電製品の一覧です。一番上のiPhone 6が最も高い家電でした。
家電は数年~数十年に渡って使いますので、年間コストを割り出します。手順は以下の4ステップ。
- 家電・家具をリスト化
- 家電・家具の購入単価を書く(価格)
- 何年くらい使うか予想する(使用年数)
- 価格÷使用年数=年間コストを計算する
それぞれ細かく見ていきます。
家電・家具のリスト化
まず、家にある家電製品をリスト化します。
それぞれいくらで買ったか、初期費用を書き出します。
1万円単位のざっくりでOK。1万円以下の家電は消費財として扱います。
基本は、初期費用=価格=コストと考えます。しかし、中には分割払いや総コストが複雑なものも。その場合はどうするか。
例えば、iPhone 6はauで2年縛りで契約していたものですが、解約して格安Simへ乗り換えたとき、毎月3,800円の負担金を支払っていました。この金額を24か月支払ったと仮定すると、合計91,200円ということで、9万円と入力しています。
ドラム式洗濯機は購入単価が税込み229,000円で、付属品を追加で買ったので、24万円と入力。
家電の多くは電気代など維持費がかかるのと、廃棄するときにもそれなりの金額がかかる場合が多いので、購入単価を高めに見積もっておくほうが無難です。ただし、電気代は光熱費として変動費のほうで管理していますので、支出管理でダブらないように要注意です。
家電・家具の使用期間を予測
次に使用期間を予測します。
だいたい何年くらい使うか、過去の経験や家電の耐用年数を参考にします。
ちなみに表のxps15, xps13, vostroはパソコンのことです。学生の頃からDELL製を好んで使っています。
iPhone 6, iPhone SE, P20liteはスマホです。
大体の目安は
- スマホは2~3年
- パソコンは4~6年
- エアコンは10~15年
- 冷蔵庫は15~30年
- テレビは7~12年
- 洗濯機は7~10年
- 電子レンジは5~15年
といったところだと思います。
取扱説明書に耐用年数が表記されているはずなので、それを参考にしてもよいでしょう。
事業用だと、確定申告などに使うため、こんな指針もあります。
国税庁 確定申告作成コーナー 耐用年数「器具・備品」のリスト
生活用なら節税になるわけではないので、なるべく耐用年数より長く大切に使いたいものです。ちなみに保証期間は費用計算には関係ありません。
年間コスト=価格÷使用年数
あとは価格から使用年数を割るだけです。
このような要領で時間当たりのコストを計算できます。
12で割れば、一か月当たりのコストが、365で割れば、一日当たりのコストも算出できます。
そうすると、どの家電・家具に一番お金を使っているかがが一目瞭然になります。
これを見ると、購入単価の高い家電が必ずしも家計を圧迫しているとは言い切れません。
長く使う予定のものはその分安くなり、逆に購入頻度が高いものは、年間コストは高くなります。
結局は、スマホが一番高いですね。多くの家庭でも同様の結果になると思います。
さらに全部足すと、自分の家計が年間いくら家電にお金をかけているのかもわかります。
このように計算すれば、今後の家電・家具の購入により適切な判断ができるようになります。
家電家具を賢く、計画的に購入することは、生活を豊かにするだけでなく、家計を潤わせることにもつながります。
少し高度な計算:家電・家具の今年の年間コストは?
家電・家具は、家計における設備投資です。
より正しく費用計算するには、減価償却の概念を使います。
使用期間を決めたら、毎年の費用が算出できました。
では、使用期間を過ぎたらどうすればよいのでしょうか?2通りあります。
- 使用期間を更新して年間コストを再計算する
- 使用期間を固定して、その後の年間コストをゼロにする
元々予定していた使用期間よりもまだまだ使いそうな場合は、使用期間を更新しましょう。
長く使うほど、思った以上に年間コストを下げられることになりますので、節約になっています。
予定していた使用期間を過ぎ、もう使わないまたは買い替えを検討したい場合は、使用期間を固定して、その後の年間コストをゼロにしましょう。
こうすることで、その家電の費用を決定づけ、新しい家電の年間コストを追加できるようにします。
2020年の年間コストを赤いバーのコラムで追加したのが以下の表です。
例えば、2020年現在で、年間費用に入れていないものは昔使っていたスマホやパソコン、洗濯機などです。買い替え済み、あるいは買換え予定のもの(掃除機や録画機)は2020年今年の年間費用からは外しています。
この例では、2010年以降、10年間で買った家電の総額は156万円です。単純に10年で割ると年間コストは15.6万円ということになりますが、これからまだまだ使うものが多いので、正しい金額ではありません。
減価償却の概念を借りると、2020年の年間費用(=減価償却費)は13.2万円になりました。月当たりだと1.1万円。実質これが家計の1か月あたりの家電にかけている費用です。
まとめ 一番高い家電はスマホ
多くの場合、スマホやパソコンが上位に食い込んできます。これらは技術の進歩が著しく、数年で買換えが起こるためです。
スマホは2~3年、パソコンは5~6年で買い換えるケースが多いでしょう。古いものは生活水準や生産性を向上してくれず、あっという間にゴミになります。
高価な家電はエアコン、冷蔵庫、洗濯機、テレビなどが代表例。これらは使う期間が10年以上のため、それほど家計を圧迫するものではないことがわかります。
生活水準と生産性を著しく向上してくれるため、むしろいいものを買って長く使いましょう。
ただし、転職などのライフイベントで引越しが伴う場合、使用期間を長く見積もれない場合は要注意です。
使用期間が1~2年であるならば、安いもので済ませるか、高いものを買ってメルカリなどでリセールするのがよいです。使用期間が短いほど一定の需要があります。
また、家電・家具を選び抜く自信や目利きがないときも、高いものを買わない方が得策です。
まずは安いものを短い期間で使ってみて、よりよい機能や自分の生活に合った家電の必要性が高まったときがくれば、目利きや選択ができるようになります。そのときには賢い買い物ができる準備ができていますので、よりよいものをより長く使うつもりで購入するのがよいでしょう。
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それではまた。