私は過去に投資信託で失敗した経験があります。
この経験から強烈に学んだことがあり、みなさんと共有したいことをこの記事にまとめています。
私は今では運用資産が4,000万円を超えてきましたが、過去に多くの失敗もしています。
これから投資信託を買おうと思っている人、投資信託についてもっと知りたい人には、これから起こりうることが想像できると思います。
- 投資信託で失敗しないファンドを選ぼうと思っている人
- ファンドを選ぶときのポイントを失敗談から学びたい人
投資資金は祖母のお金
2007年ごろまで、私は月7万円の給料で生活していた貧乏学生でした。
一生懸命に倹約していましたが、お金がないと友達付き合いもできず、ご飯にレトルトチーズをかけて食べるような生活を送っていたので、お金の大切さは肌にしみついていました。
社会人に成りたての当時は、手元にお金が残るという感覚が新鮮でした。
私は先輩社員の誘いをうけてFXのオンライントレードを始めました。
株式投資こそ興味はありましたが、有名企業の個別株やFXなどに手を出しながら適当にネットで売買するという趣味にも満たない興味程度でした。
ある日実家に帰ったときに、祖母に好かれていた私は、
「○○(私の名前)、これやっかんな~」
と突然100万円の現金袋を渡されました。
死ぬ前に自分の資産を整理したかったのだと思いますが、当時の私はこの意味をよく理解していませんでした。
祖母の押しは強く、結局受け取ってしまった私の銀行口座は、突然の現金収入を得ました。
そして何よりの後悔は、数か月以内に私はこのお金をFXにつっこんでいたのです。
リーマンショックの頃、FXで私は100万円以上の大損を出しました。
このことは家族・友人含め、誰にも話せていないので気負いがあるんだと思います。
ただそれ以上に、この経験は私の心に大きな石を投げ入れたように、ずっとその重さを感じて生きることになります。
それ以降このゼロサムゲームには参加しないようになりました。
投資しなきゃ!で投資信託を買ってみた
2012年頃から、もう少し堅実な形で投資をしようと、投資信託の積立投資をするようになりました。
一応このように投資スタイルの主軸が変わりました。
しかし、投信の仕組みはよくわかっていませんでした。
とりあえず社会的に受け入れられた投資法なんだろうということで、FXや株式の短期売買よりもギャンブル性が排除された分、堅実にお金を増やしていけると思って始めました。
ただ貯金しているよりも、とりあえず増えそうだからというのが理由です。
どの投資信託を選ぶ基準は特になく、SBI証券で見てオセアニアが穴場で伸びそうだと思い、以下の2本を試しのつもりで買いました。
- イーストスプリ-イーストスプリング・アジアオセアニア好配当株式オープン毎月分配型
- BNYメロン-新興国好配当株式ファンド(毎月分配型)
オープンってどういう意味なのか全くわかりませんでした。
これらの商品の手数料はこんな感じです。
これを見て、ボッタクリ商品なのが、お分かりでしょうか?
毎年、投資額の1.76%が取られ、更に解約するときに残高から0.3%が引かれます。
ところが当時の私は、何も考えずにオセアニア当たりがおもしろそうという直感で買っていました。
SBI証券の積立設定はとても簡単なので、できたと思ったら毎月1万円の設定をして終わりました。
それ以降ほったらかし積立投資が始まります。
目論見書や運用報告書など、見ても何が書かれているのかちんぷんかんぷんです。
- ファンドマネージャって誰なんだろう?
- 実在するの?
- なんか読むのも考えるのもめんどくさい。
このときは「おれも投資してるぜ」と言える、といった一人前を気取れる満足感をもっていました。
この後、ほったらかしていたことにより、大損が発覚しますが、この時はギャンブル投資から足を洗い、潔い一歩が踏めただけで満足していました。
6年のほったらかし期間にしたこと
投資信託の自動積立は注意も関心も引かずに継続できるのが特徴です。
まさにほったらかしにできるというのがメリットでもデメリットでもあります。
しかし、当時の私のような投資初心者にはデメリット間違いなしです。
例えそれが優良な投資であったとしても、何もわかっていないほど恐ろしいものはありません。
たまに見るSBI証券の口座から評価損益の値だけ見て満足していました。
このように赤か青の太文字で表示されるので、評価損益だけは必ず目が行くようになっています。
リスク商品なので、マイナスになったりプラスになったりの時期があるので、いちいち気にしなくていいものです。
増えているときも多かったし、マイナスでもそんなに大した金額は減っていなかったので、まあこんなもんかと毎回思って終わりでした。
SBI証券からたまに手紙が届きました。運用報告書です。よく見方が分からなかったので、封も切らなくなりました。
評価損益の値は、だんだんマイナスの期間が長引いてくるようになりました。
それでも投資だから元本割れは起こすものと割り切っていました。
投信の2本とも毎月200円くらいの分配金もあったので安心していました。
大して儲けになってないけど、確実に振り込まれているようなので、まあいっかと思っていました。
ある日、償還される
ところが5~6年経ったある日、2本のうち1本が償還されることになるとの連絡がありました。
償還という、意味すら知らなかったのですが、どうやらその投資信託がなくなってしまうようです。
とりあえずお金は返してもらえるようだ、ということは理解したのですが、損はしたのか?が気になりました。
SBI証券でよく調べてみると、基準価格も純資産額もここ数年下落傾向にありました。
これは確かによくない傾向。もう一つの投資信託も同様の傾向を示しており、「よくわからないものを買い続けるのは危険だから、とりあえずこの辺で手を引こう」と思いました。
保有していたファンドは全額解約しました。
一つは償還が決まっていたので、それを待つしかありません。
ところが解約したつもりが、次の月もしっかり1万円分購入されています。
積立投資の自動設定だったので、その積立の設定を解除しなければならないのでした。
そのやり方も知らなくて、調べる気力も低かったです。
投資の知識が薄すぎて、証券口座の出てくる単語や言い回しの意味が分からず調べる気が起きなかったわけです。
そしてようやく設定の解除が完了するまでに3カ月ほどかかりました。
それでもちゃんと解除できているのか不安でした。
しかし、なにより不安に思ったのは、この6年間に渡る積立投資は結局プラスだったのか、マイナスだったのか、わからなかったことです。
一体、自分が大切にしたいはずのお金を何だと思っているのか。
投資信託をしっかり学ぼうとしたらやっと気づいたこと
結果、1本の投資信託はマイナス、もう一本の投資信託はいくらかプラスだったことがわかりました。
しかし、この期間支払っていた手数料はもっと大きな金額だったので、実質マイナスです。
お金が増えることを信じて6年の歳月をかけて資金を投入し続けたので、この結果はどう考えてもふがいない結果です。
FXやトレンドで株を買う投資と比べれば、はるかに堅実な方法のはずだったのに、なぜこんなことになってしまったのか。
こうして、投資についてしっかり学ぼうとする気になりました。
私のこの失敗の主たる原因と学びは以下です。
- これらの投資信託の手数料が高すぎる。信託報酬1.85%の意味が判別できない。
- 99%の投信はゴミかボッタクリであること。
- 積立投資自体は悪くない。
- 分配金は見せ物であり、ニセモノであることも多い。
- 投資信託にも寿命がある。それは人気がなくなったとき。
これらについて、詳しくは別の記事を立てようと思います。
しかし、私の最も大きな反省点は、6年間の間、何の学習もせず、ボッタクリ商品を買い続けてきたことです。
投資にはリスクがつきものですが、それには負わなければならない(コントロールできない)リスクと、自力でコントロールできるリスクがあります。
少なくともこれらの点に気が付けないような場合は、自力でコントロールできるリスクに対してあまりにも無頓着だったのです。
しっかり学ぶことで、負う必要のないリスクを軽減することができます。
そして、投資に関する判断力を向上させてくれたり、どんな社会状況でも、ニュースに踊らされたり、慌てることもなくなります。
勉強を怠るということは、自分の大切な資産や時間をムダにするリスクにさらしていることと同じです。
手数料と増えないファンド選択に後悔【体験談】まとめ
まとめ 失敗が学びのきっかけに。投資は誰でも失敗する。
2019年頃から、これらの反省を踏まえ、本格的に投資を学び始めました。
そこで学んだ一番の気づきは、投資は誰でも必ず失敗しているということです。
私自身が例外ではなく、大小・回数関係なく、一流の投資家もみな例外なく失敗しています。
最初から何もしなかったり、失敗もせずに成功できることは数少ないでしょう。
例えば、
- 自転車を乗れるようになるとき
- ピアノを弾けるようになるとき
そして新しい仕事を覚えるときも、必ず失敗を伴う行動を繰り返し、それでも挑戦し続けます。
投資も、実践して、損して、初めてわかることがあります。
投資で成功されている方々も、みなそれぞれの失敗談をお持ちです。
投資は誰でも失敗するのです。
私のように、何も理解せず、投資するのは危険です。
亡くなった祖母の遺産を溶かしてしまう経験もするかもしれません。
しかし、それは学びを通して初めて言えることであり、まだ投資を経験していない人にとっては、よいアドバイスではありません。
一番効率的に学べるのは、さっさと少額で投資を経験し、失敗し、そこから自分で学ぶことです。
これは遠回りのように見えて、一番の近道です。
最初から完璧な知識を持ち得ている人はいません。
おそらく用語がわからなくて、勉強に挫折します。
そして、経験や失敗を伴わない学びは浅いものになります。金融機関のセミナーでメモを取っている程度では、本当のリスクと向き合うには未熟です。
また、優良な投信、有効な投資法は存在しますが、これらは万人にとって共通ではありません。
失敗を繰り返すことで、自分で学び、見つけていくのです。
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それではまた。