どっちにすべき?ETFか投資信託か

こんにちは、AJO(@ajo_kakei)です。

ETFも投資信託もどちらも株式市場に分散投資できますが、結局のところどちらがいいのでしょうか?

一般的には、

  • 投資信託のほうが初心者向け
  • ETFのほうがコストは安いけど、扱いが少し大変

と言われます。

こう言われて、「じゃあ、とりあえず積立NISAは投資信託で始めてみるか!」ってことになるでしょうか。

私はそうならなくて、「なんでETFは投信より安いの?どれくらい安いの!?」となるほうです。

そのような人向けに、ETFと投資信託では何がどう違うのか、について深掘りしました。

ETFの仕組みや構造をサクっと理解すれば、これらの疑問は解決できます。

この記事を読めば、ETFにするか投資信託にするかを、自分で選べるようになります。

また、ETFについては銀行の金融商品担当の人よりも詳しくなります。

こんな人に向けて書かれています。
  • 長期・分散・積立投資を低コストで実践していきたい
  • 投資信託とETFならどっちを買うべきかで、スッキリしたい

    ETFと投資信託

    投資信託は八百屋でETFは市場で買うイメージ

    ETFは投資信託を上場させたもの、と説明されてもよくわかりません。

    まず、たとえ話でイメージをつけて、詳しい解説にいきたいと思います。

    ETFも投資信託であり、株式や債券を詰め合わせた金融商品に変わりありません。

    例えるなら、投資信託は八百屋さんやスーパーで売られている野菜(もっと例えてネギ)です。

    そして、ETFも同じ野菜(ねぎ)ですが、八百屋さんやスーパーの人たちが取引している卸売市場で買うようなものです。

    ETFも投資信託も同じ商品ですが、買い方が違うだけです。

    八百屋さんで買うネギは、小分けにされていたり、きれいに包装されていたりして、店頭でとても気軽に買うことができます。

    卸売市場で買うネギは、数量が多かったり、買っても後で自分で小分けして保存するちょっとした手間が発生します。その代わり、単価は八百屋さんで買うより安く仕入れることができます。

    この例えをイメージしながら、ETFと投資信託のコスト比較を見てみましょう。

    投資信託:八百屋さんで買ったねぎ

    ETF:市場でせり落としたねぎ

    ETFと投資信託のコスト比較

    投資信託とETFのコスト比較

    投資信託よりETFを選ぶメリットは低コストにあります。

    コストは投資信託の半分くらい

    一体どれくらい安いのかというと、商品により様々ですが、ざっくり半額から3分の2くらいのイメージでいいと思います。

    国内と海外株式の具体例で示します。

    例えば、日本の東証一部の市場平均であるTOPIXに連動するのは

    • ETFでは1306(TOPIX ETF)があり、この経費率は0.088%(税抜)
    • 投資信託では、eMAXIS Slim TOPIXがあり、経費率は0.14%(税抜)

    となっています。同じ品種のはずですが、ETFのほうが4割ほど安いです。

    日経平均も見てみましょう。

    • ETFでは1321(日経225 ETF)があり、この経費率は0.18%(税抜)
    • 投資信託では、eMAXIS Slim 日経平均があり、経費率は0.14%(税抜)

    となっています。こちらもETFのほうが2割安いですね。

    次に、米国株についてはどうでしょうか。S&P500に連動する商品で比較します。

    • ETFではVOOがあり、この経費率は0.03%
    • 投資信託では、SBI・バンガード・S&P500があり、経費率は0.088%(税抜)

    となっています。ETFの費用は投資信託の3分の1程度まで下がります。

    最後に全世界株式で比較します。以下は、ACWIという全世界株式のインデックスに連動する商品です。

    • ETFではVTがあり、この経費率は0.08%
    • 投資信託では、楽天・バンガード・全世界株式があり、経費率は0.2%(税抜)

    となっています。ETFは投資信託の6割以上安いのですね。

    同じ値動きをする投資商品ですが、ETFは格安の投資信託よりもコストが3分の2~半額くらいになるイメージでいいと思います。

    商品によりばらつきがありますが、国内よりも海外のほうがその差がはっきり出てきますね。

    ETFと投資信託のコスト構造

    同じベンチマークに連動する商品なのに、なぜここまで費用に差が生まれるのでしょうか?

    ここからはETFと投資信託のコスト構造について深掘りします。

    ETFと投資信託の仕組みの違いについては割愛しますが、詳しくはこちらの記事をどうぞ。

    現代家計に必須|ETFが金融商品で20世紀最大の発明と呼ばれる理由

    投資信託もETFも、信託報酬は運用会社に支払いますが、基本的に以下の3社に支払うようにされています。

    • 証券会社
    • 運用会社
    • 信託会社

    例えば、信託報酬率が0.5%の商品だと、預け資産が200万円ほどであれば、年間1万円の費用が投資家の負担になり、上記の3社への報酬として支払われることになります。(実際は日割りで支払っています)

    投資信託の信託報酬は3社が持っていく

    出典:筆者作成

    少しだけ監査料や税金関係といった経費(隠れコストと呼ばれたりもする)も負担していることになっています。

    で、これら3社はいったい誰なのか。

    • 証券会社
      • 野村証券、SBI証券など、私たち投資家との窓口となっており、投資信託を営業・販売している会社です。経費の3分の1程度は彼らへの報酬になります。
    • 運用会社
      • 投資信託を作成し、運用する会社です。野村アセットマネジメント、SBIアセットマネジメントなど、~アセットマネジメントという名前が多いです。また、証券会社とグループ企業になっている場合が多いです。投資信託の中身である株式や債券の売買指示をしたりします。ファンドマネージャはここにいます。
    • 信託会社
      • 私たち投資家のお金の預け先です。○○信託会社といったところに資金は保管され、保全されています。因みに法律によって、投資家の運用資産は信託会社がつぶれようが、運用会社がつぶれようが、証券会社がつぶれようが、しっかり返金されるようになっています。信託会社への報酬が3分の1程度です。

    一方で、これがETFになると、信託報酬のうち、証券会社に支払われる分がなくなります。

    ETFの信託報酬は2社が持っていく

    出典:筆者作成

    ETFは上場取引のため、投資家間で勝手に売買が行われるため、運用会社から証券会社に「売ってくれてありがとう料」が発生しなくなるためです。

    上記の例だと、野菜の値段のうち八百屋さんが上乗せする分がなくなるということですね。

    ポイント

    ETFの信託報酬は、証券会社に報酬を支払う必要がないので低くなる

    ただし、ETFには証券会社には売買手数料という形で、取引ごとに費用が発生する場合が多いので、ここは注意が必要です。

    ETFには営業報酬以外にも、運用会社の経費をちょっぴり下げることができる仕組みがあります。

    マニアックになりますが更に知りたいという方は、こちらの記事をどうぞ。

    現物株とETFの価格が連動する仕組みを解説

    ここまでのまとめ
    • ETFのコストは投資信託と比べて半分くらいに抑えられる。
    • ETFが安いのは、信託報酬のうち証券会社に支払う分をゼロにできるから。

      ETFにはない投資信託の利便性

      コストと利便性

      投資信託よりも低コストなETFですが、ETFには利便性が低いというデメリットがあります。

      例えば、投資信託からETFに切り替えると、以下のような利便性が失われます。

      • 売買手数料がかかる
      • 積立投資が手動
      • 為替費用(海外ETFの場合)
      • 分配金再投資が手動

      一つずつ解説します。

      売買手数料がかかる

      ETFの売買は、通常の株式と同じように手数料がかかります。

      手数料は0.5%なのか、1件110円なのかは証券会社によりますが、通常株式を買い付けるのと同じ手数料がかかります。

      またネット証券で手軽に買えるようになった米国株ETFも、0.45%+税の売買手数料がかかります。(SBI、楽天、マネックス証券)

      投資信託の売買手数料は無料のものが主流となり、信託報酬も0.1~0.2%程度の時代ですので、売買手数料はETFのデメリットとしてあげられるようになりました。

      ETFの売買手数料を回避する方法もありますが、基本的にETFは取引ごとに手数料がかかると思っておいていいでしょう。

      ポイント

      通常、ETFは売買手数料がかかる。

      積立投資が手動

      ほとんどの金融機関は、ETFの定額自動購入サービスを提供していません。

      なので、ETFで積立投資をしたい場合は、毎月手作業で買わなければいけません。

      しかも、ETFの単価は1万円以上のが普通にあるので、少額で積立をしていきたい人には不向きです。

      一方、投資信託なら100円から毎月積立ができるようになっています。

      ポイント

      ETFは自動で定額積立投資ができない。

      為替手数料

      米国株ETFのような海外ETFを買う場合、日本円ベースでも買えますが、基本的にはドルで運用することになり、為替手数料がかかります。

      これもばかにならない費用です。

      米国株ETFを買うための為替手数料を最安にする方法もありますが、こういった手法は少々めんどうです。

      米国株に投資する投資信託で運用すれば、そのまま円で運用することができ、為替手数料はかかりません。

      ただし、投資信託でも運用先が海外であれば為替リスクは伴います。つまり、買ったときと売ったときの為替レートが異なれば、その影響を受けるということです。

      ポイント

      投資信託は為替手数料もタダ。

      分配金再投資が手動

      投資信託は、分配金がでれば税金を自動で再投資してくれます。

      長期で投資する場合は、再投資をしたほうが投資効率が高まります。

      ところがETFは、現在のところ投資信託のように分配金を自動で再投資してくれるサービスはありません。

      分配金を再投資したい場合は、手動で行わなければならないのが手間です。

      確定申告をすることで、米国課税分は還付金で取り戻せますが、それ間再投資することができない期間がある分、投資効率が落ちてしまいます。

      ポイント

      ETFは投資信託と違い、分配金の再投資を自分でやらなければならない。

      どっちにすべきか

      投資信託かETFか

      以上の違いをふまえた上で、どんな場合にETFへの投資が向いているかをまとめます。

       

      投資信託向きの人
      • 1万円以下の少額で積立投資を始めたい
      • 投資初心者
      • あまり投資に時間と手間をかけたくない
      • 円のみで投資したい

       

      ETF向きの人
      • 0.5%以下のコストにこだわりたい
      • 3,000万円以上投資している、またはその予定
      • 海外資産に外貨で投資したい

      投資金額が数千万円規模になってくると、手数料も高くなるので、ETFで節約できる機会が生まれます。

      例えば、3,000万円運用していると、毎年の実質コストが0.5%でも15万円かかっています。

      これをETFにかえて0.3%にできれば9万円と、毎年のコストを6万円下げることができます。

      投資の最初の段階では、ETFか投資信託かで大きな差はでませんので、この判断が投資の足かせにならないためにも、ほとんどの人は投資信託から始めたらいいと思います。

      投資信託とETFどっちがいいの?|仕組みの違いと使い分け方法を簡単解説

      まとめ

      投資信託とETFはどっちがいいのかについて、要点をまとめます。

      ETFと投資信託は、同じ野菜を八百屋で買うか、卸売市場で買うかの違いです。

      ETFのコストは投資信託の約半分ほど

      • 信託報酬が安いのは、証券会社に支払わなくていいから

      ETFのデメリットは利便性

      • 売買手数料がかかる
      • 積立投資が手動
      • 為替費用がかかる
      • 分配金再投資が手動

      以上をふまえると、投資初心者には投資信託、投資資金が大きくちょっと手間をかけてもいい人はETFが向いているといえそうです。

      最後に、ETFの将来について少し語ります。

      ETF市場は成長している

      私は、ETFは投資信託よりも優れた金融商品だと思っています。

      今後数年も経てば、ETFは投資信託よりも使い勝手の良い商品市場に成長する可能性を秘めています。

      ETFは成長段階であり、2019/12/23付日本経済新聞でも、「ETF、市場の主役に 資産6兆ドル、5年で2倍」のような記事が投稿されました。

      また、投資先進国アメリカでも個人が運用する投資商品としては、近年ではETFの利用率が最も多くなってきています。

      米国ではすでに投信を抜き、ETFが個人の運用先の主役になっている。

      ETFは誰がどのように利用しているか【世界ETF事情④】

      出典:NEXT FUNDS ETFは誰がどのように利用しているか【世界ETF事情④】

      米国ではETFのサービスインフラが整いつつあり、日本でもその恩恵は受けられるようになってきています。

      例えば、

      といった動きもあります。

      このようにETFは、ますます便利になる可能性があるので、今後も注視していきたいと思います。

      こんな記事も書いています。

      VTとVOOどちらを持つべきか?|低コストの優良銘柄比較【米国株ETF投資】

      【貯金よりは得】積立投資の真の魅力と損しない方法を解説

      【長期・分散・積立】資産運用におすすめの本3冊|暴落でも動じなくなる資産運用のための知識

      それではまた。